放心

お昼のオペが終わったら、今日の夜帝王切開やるかも、と言われた。
こういうのは突然来るものだけど、、、。
夕方の診察時間前からバタバタ大勢やってきて、新患も立て続けに来ててんやわんやのところへ、その患者さんがやってきて、
「すぐ始めるから！」と言われたものの、準備する人間は私しかいないし、私は受付離れられないし、、、待ってる人どうするの〜？
滅菌が上がるのを待っている間に、いっぺんに来た人の診察は終わったものの、オペの子の顔を見ると、生気が無くて・・・おかあさん、しっかりしなさい！！
お腹に二頭いるけど一頭は心音が拾えないらしい。
私が麻酔を見て、取り出した子の処置をもう一人にお任せして、
最初に出した子は、出した時点で既に心音が取れず、ほぼ同時に後から出したもう一頭は私が受け取って、その子は心臓がしっかり動いてた、最初は。
が、呼吸をしないんだもの。マッサージして息吹き込んで、何しても、
どうして呼吸しない？動いてよ、口開けてよ、
どれくらいの時間そうやってたのかよくわからない、、、
徐々に除脈になって、聴き取りづらくなって、体も冷たくなって、
心音は聴き取れなくなった。
一頭だけでも・・・とみんな言っていたけど、だめだった。
がっかり、ぐったり、どっと疲れた。疲れた、、。
体もしっかりしてたのに、自分で産まれて来られなかったんだなぁ。
せっかく外に出られたのに、、ごめんね。

帰りに駅に上がるエレベーターを一人で待っていたら、
ピュゥ用のでかいフードを両手で抱えた私の姿を見てか、
最後に降りる人が、私が乗り込むのをボタンを押して待っていてくれた。
やっと、ありがとうございます、と言ったけど、
ちょっと、いやかなり、救われた。どうもありがとう。